Group 01.
流れと物理
ヒトやモノの「流れ」をモデル化し、複雑な交通ネットワークがスムーズに流れるモビリティ社会に貢献する。
ヒトやモノの「流れ」を数理で可視化し、快適な移動をデザインする。
自動運転車や人々がつくる「流れ」は、いわばモビリティ社会という身体を巡る血液です。その流れが滞ってしまわないように、流れと物理グループでは流れを数理的にモデル化して捉えるとともに、最適な流れを導くための計算手法を開発しています。さらに、テンソルネットワークという概念を用いることで計算を圧倒的に効率化し、最終的にはひとつの街全体の交通流を扱うこともできるような画期的な手法の構築をめざします。
研究概要
本グループでは、交通流や人流はもちろん、生体内の細胞の動きまでさまざまな流れ(フロー)を対象とする新たな計算手法の開発に取り組んでいます。研究の手順としては、まず計算すべき内容を検討し、その内容を離散可積分系(箱玉系)をはじめさまざまな視点を取り入れてモデル化します。さらに、作成したフローモデルをアルゴリズムに落とし込み、計算機によるシミュレーションを実施します。流れを可視化する多様な手法を開発することで、モビリティ社会の本質をとらえるまったく新しい視点を見出したいと考えています。
また、自動運転車が実装される未来社会を想定すれば、交通流をネットワークとして捉え、混雑が発生しないような理想的なネットワークをデザインすることも必要になります。現段階では実際の交通網のような複雑で巨大なネットワークを計算することは困難ですが、本グループではテンソルネットワークという概念を用いることでこの課題を解決できると期待しています。位置や時間、速度などさまざまなインデックスがついたデータをテンソルと呼び、このテンソルをより単純化してグラフの形に表したものがテンソルネットワークです。膨大なデータをテンソルネットワーク形式で扱うことで、計算量を大幅に圧縮することができるのです。
フローモデルの研究とテンソルネットワークの研究それぞれに取り組むことで知見を深め、将来的にモビリチィ社会で応用可能なネットワーク・フローモデルを構築することが目標です。
参加メンバー
辻本 諭 京都大学・情報学研究科
小島 諒介 京都大学・医学研究科
前田 一貴 福知山公立大学・情報学部
Zanlungo Francesco 大阪国際工科専門職大学
岩﨑 雅史 京都府立大学・生命環境学部
福田 亜希子 芝浦工業大学・システム理工学部
原田 健自 京都大学・情報学研究科
川島 直輝 東京大学・物性研究所
大久保 毅 東京大学・理学研究科
高橋 大輔 早稲田大学・基幹理工学部
小林 克樹 京都大学・情報学研究科
Julien Gaboriaud 京都大学・情報学研究科
前野 温志 京都大学・情報学研究科
岡本 和也 早稲田大学・基幹理工学研究科