
Team 03.
動的ネットワーク制御
制御工学の観点からカーシェアリングシステムを捉え、拠点間の車の移動を最適化する仕組みを提案する。
制御工学の知見でモビリティシステムの「動き」を捉える。
カーシェアリングは、自動車を個人が「所有」する代わりに、登録を行った会員同士が共同で車を使用するサービス・システムです。車を効率的に運用することができ、環境負荷や社会的コストを下げることが可能になることから、近未来のモビリティ社会で実装されることが望まれる仕組みの一つとなっています。動的ネットワーク制御チームでは、このカーシェアリングのシステムを制御工学の観点から捉え直すことで、より効率的かつ人々が快適に移動できる方法を数理的に構築しようと考えています。
研究概要
動的ネットワーク制御チームには京都大学、大阪大学、北九州市立大学、立命館大学に所属する7人の制御工学の専門家と、3人のサポートをお願いする学生が所属しています。それぞれの研究者の強みを活かし、将来に電気自動車が普及した時代に求められる、新たなカーシェアリングシステムをさまざまな角度から研究しています。カーシェアでは係員による拠点間の車の移動が必要になるケースがありますが、その移動はできるだけ少ないほうが望ましいと言えます。そこで本チームでは、車を「動かすか/動かさないか」を「スパースリバランス」という数理的手法で単純化し、「できるだけ動かさない方向に最適化する」方法を提案しました。つぎに各カーシェアリング拠点に駐車中の空き自動車を、利用者の需要を考慮しながらどう配車すれば最も無駄がないか、最適輸送理論に基づく手法を開発しました。さらに、動的料金によるユーザーの徒歩移動を考慮したモデルの設計を行いました。この3つの研究はそれぞれ制御工学の国際的な学術誌である『IEEE Transactions on Automatic Control』に採録および、制御工学およびモビリティのトップ会議(IEEE CDC, ITSC)にて発表が行われています。本チームは、カーシェアリングの数理的研究を発展させることで、いずれはエネルギーシステムと情報システムもモビリティシステムに統合し、全体として最適化する仕組みを提案したいと考えています。
参加メンバー
櫻間 一徳 京都大学・情報学研究科
加嶋 健司 京都大学・情報学研究科
星野 健太 京都大学・情報学研究科
林 直樹 大阪大学・工学研究科
小蔵 正輝 大阪大学・情報科学研究科
池田 卓矢 北九州市立大学・機械システム工学科
Chengyan Zhao 立命館大学・理工学部機械工学研究科
武田 海渡 京都大学・情報学研究科
安田 俊平 京都大学・情報学研究科
渡邉 優大 京都大学・情報学研究科
アドバイザ
湊 真一 京都大学・情報学研究科