Group 03.
データ・機械学習
モビリティ社会を動的なネットワークの集合体として捉え、機械学習技術によって解析する。
ヒトやモノが動き回る空間のダイナミクスを機械学習技術で解析する。
自動車や公共交通機関、そして人々が絶え間なく移動するモビリティ社会は、複数の動的なネットワークの集合体と捉えることができます。これらのネットワークをひとつの地域という基盤の上で統合し、最適なネットワークのあり方を数理的に解析することにより、電車、バス、徒歩を組み合わせた最適な交通機関の配置ができるようになります。本グループの目標は、こうした動的なネットワークを解析する機械学習技術を開発することです。
研究概要
本グループで取り組んでいるネットワークデータ解析手法のひとつに、拡張ハイパーグラフというものがあります。ここでいうグラフとは、複数の点どうしのつながりを図や行列で表したものを指します。グラフは点(ノード)とそれをつなぐ線(エッジ)で構成されますが、複雑な交通ネットワークを表現する場合はこの概念を拡張し、3つ以上のノードを結ぶ複数のエッジをひとつの集合、つまりハイパーエッジとして扱う方法が考えられます。たとえば、ある航空アライアンスが就航している複数の空港をつなぐネットワークは、ひとつのハイパーエッジとして表すことができます。
ハイパーエッジは多くの要素を含むネットワークの全体像を記述するのに有用な一方で、ひとつのハイパーエッジに含まれるノードどうしの関係は扱うことができないという欠点がありました。そこで本グループでは、ハイパーエッジにおけるノードどうしの関係をさらにグラフに表し、階層構造をもつデータ(テンソル)として扱う「拡張ハイパーグラフ」を提唱しています。拡張ハイパーグラフを解析するためのアルゴリズムを開発することで、航空網から道路網、水道網まで、モビリティ社会のネットワークが抱える課題に対して数理の視点から解決策を示したいと考えています。
参加メンバー
池田 和司 奈良先端科学技術大学院大学・情報科学領域
久保 孝富 奈良先端科学技術大学院大学・情報科学領域
Tan Renzo Roel Perez 奈良先端科学技術大学院大学・情報科学領域
人見 謙太郎 奈良先端科学技術大学院大学・情報科学領域
Brian Godwin Sy Lim 奈良先端科学技術大学院大学・情報科学領域
林 秀樹 奈良先端科学技術大学院大学・情報科学領域
Hans Jarett Jim Ong 奈良先端科学技術大学院大学・情報科学領域