研究グループ Research

制御と連続最適化 イラスト

Group 02.

制御と連続最適化

制御工学・連続最適化の知見を駆使して、大規模化・複雑化するモビリティ社会の最適化と準最適化をめざす。

多様な目的をもつ個人に、最適な移動を提供する方法論を見出す。

現代社会は、SNSによって人間同士がつながり、またIoTや自動運転時代の到来で車同士、工業製品・電化製品がつながりつつあります。今後さらにあらゆるモノがネットワークで結ばれていくのは確実で、人の移動も「MaaS(Mobility as a Service)」と呼ばれる社会ネットワークインフラの上に構築されるでしょう。近い将来MaaSサービスにより集約された情報を活用することで、最適な移動が実現できると期待されています。しかし一方で、そのようなシステムを構築するために解くべき問題も圧倒的に大規模化・複雑化しています。制御と連続最適化グループでは、最適化・制御工学の知見によって、モビリティの多目的問題、均衡問題を解く新しい方法論を見出したいと考えています。

研究概要

車や人など何万もの移動体を効率よく制御するMaaSでは、存在するモノの様子が刻一刻と変わります(動的システム)。さらに移動する意思決定の主体も複数存在し、その最適な「落とし所」を見つける均衡問題を解く必要があります。さらに移動の主体は「目的地に早く行きたい」「安い手段で行きたい」などの複数の異なる希望を持っています(多目的問題)。こうした大規模かつ複雑な問題の最適解・均衡解を数理的に得るのは簡単ではありません。
本グループでは、このような多目的問題・均衡問題に対する「準最適解」を見出すための方法論を制御工学・連続最適化の知見から見いだすことを目標としています。例えば、「分散化」による制御システム設計が考えられます。システム全体を中央コンピュータで処理するには膨大な計算資源が必要ですが、特定の領域のみの計算なら、処理能力の低いコンピュータでも処理できます。具体的なテーマとしては、一定の地域内の乗り捨て式カーシェアリングシステムに、車の偏在によって変わる料金を組み合わせることで、最適化を図る研究を進めています。
また、本グループの研究成果によって、社会システムに参加する個々人がそれぞれ納得できる解(準最適解を含む)を得るためのツールを提供できる可能性があるとも考えています。SNS等によるつながりの増加と情報の可視化が進んだことで「不公平感」を感じる機会が以前より増えていますが、数理的な最適解・均衡解を明示することで、社会の不満を軽減できる可能性があります。さらにカーシェアリングシステムの最適化の道筋が見えてきた段階で、他のモビリティへの応用(タクシー配車、宅配、配送、その他の移動体の制御・測定など)も検討していく予定です。

参加メンバー

櫻間 一徳     大阪大学・情基礎工学研究科
山下 信雄     京都大学・情報学研究科
加嶋 健司     京都大学・情報学研究科
星野 健太     京都大学・情報学研究科
東 俊一      京都大学・情報学研究科
渡邊 優大     京都大学・情報学研究科
林 直樹      大阪大学・基礎工学研究科
池田 卓矢     北九州市立大学・機械システム工学科
Chengyan Zhao  立命館大学・理工学部機械工学研究科
檀 寛成      関西大学・環境都市工学部
林 俊介      法政大学・理工学部経営システム工学科

制御工学の観点から新たなカーシェアリング・ネットワークを構築。

制御工学の観点から新たなカーシェアリング・ネットワークを構築。

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